side難

第8話

麗奈は今日から学校に行くことになった。

「いいか麗奈。迎えに行くから授業終わっても学校にいること」といい約束させられる。

職員室に行くと「牧さんだね」と言われてこくり。

するとカタそっくりの人が私に、「僕は吉井湊ミナトといいます。君の担任を受け持つことになりましたので、よろしくお願いします。」と言われた。口パクでよろしくという私に先生は、「えへへ。カタ兄ちゃんに言ったらびっくりするよね。僕が担任になったって聞いたら」という。ホワイトボードに「まさか」というと、「カタにいちゃんはこの学校に僕がいることは知ってるよ。担任になったのは偶然だからね。」と言われた。

じゃあクラスに行こうという先生についていく。

一緒に入るとおはようという声。「あっ麗奈」と呼ばれたそこには、公園の時に拾われた弘人君(ヒロト)がいた。

知り合いか。と言われてこくりとする。

弘人の隣でいいかなと言われて、こくりとする。

授業で学力テストをした。

「牧」と言われてテストを取りに行くと先生が「君は頭がいいな」とほめてくれたのだった。テストの点数はなんと平均で85点だったので、弘人になんで俺より頭いいんだよと言われた。

私は授業中も湊先生の授業は面白いと思ったので真剣に聞いていた。その横で弘人が居眠りしてたので、ツンツンとついて起こしたら、「なんだよ」という彼。反応が面白いので何回かやった。

そして午前中の授業が終わって、お昼を食べてると、隣のクラスからある子が訪ねてきた。

「あの、牧さんですよね。私美奈子。覚えてるかな」と言われて、思い出した。施設にいて去年いい里親が見つかって里親と養子縁組した子だと思ってると、ホワイトボードに書こうとしたけど、書かないほうがいいかもと思ってると、「覚えてくれてるみたいだね」というとこくりとした。

二人になろうと連れていかれて相談室に場所を移した。

すると、美奈子が、「牧さん施設で入れ墨入れられてたでしょ。あの時気づいてたのに、助けてあげれなくて本当にごめんね」と言ってきた。

「美奈子が悪いわけじゃないし、いいんだよ」とホワイトボードに書いた。「私、今でもあの光景が頭に焼き付いて離れないんだよ。どうしても、あなたを助けてあげたかったんだ」っていうと、美奈子に「子供だったし相手は大人だったから、しかたなかったんだよ」と書いた。本当にそう思った私だったけど、美奈子は後悔してたみたいでずっと泣いてた。美奈子も見せられて傷ついてたんだ。と思うと私は抱きしめた。彼女が落ち着くまでの間ずっと。

ありがとうというと彼女にその後の事を告げてあげようとホワイトボードに書いて告げるとと彼女はにこりと笑い、「よかった」といい本当の心底から出た笑顔で私を見た。

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