第4話


連行中上空2000m


ヘリの中で


隣同士で座らされてシンジが何やらゴソゴソと体を動かしていた


するとシンジが肩でアスカのヘッドフォンをずらした


アスカ

『あ!』


その行為に気付いたアスカは同じようにシンジのヘッドフォンをずらした


そして二人は周囲に気付かれないように小声で


シンジ

『一体僕達をどうするんだろう?だっておかしいじゃないか、あの時(サードインパクト)に全てが終わったんじゃ』


アスカ

『そんな事あたしに聞かないでよ、あたしだってわかんないわよ』


二人を乗せたヘリは10分程上空を飛び、すると突然二人のヘッドフォンと手錠を外した


戦闘員A

『さぁそろそろ降りる準備をして貰おうか』


シンジ

『え!降りる?だってまだヘリは上空を飛んでるじゃ』


アスカ

『ちょっ、ちょっと待ってよ、降りる準備って、この音どう考えてもまだ完全に飛んでるじゃない』


無理やり二人を立ち上がらせ、ヘリの扉の前に立たせた、風が二人の顔と髪を撫でながら上空の高さを想像させた


一人の戦闘員がなにやら小声でタイミングを計っているのが聞こえた


『後30秒、20秒、10秒9・8・7・・・・』


二人は目隠しをされたまま周囲の音だけで想像しなければならなかった


シンジ

『アスカ僕達殺されちゃうのかな』


アスカ

『あ~、もう、あたしだって分かんないわよ、こんなときにそんなこと聞かれたって』


そして次の瞬間


まるで以前ユニゾンで使徒を倒したタイミングと同じ様な感じで二人はヘリから落とされた


シンジ

『もう、ダメだ、父さん、母さん、綾波・・・・』


アスカ

『ママ、加持さん・・・』


『バシャーーーン』


シンジ

『エ!・・・』


アスカ

『ちょっ、ちょっと何よこれぇ~』


『ブクブクブク・・・・・』


シンジ

『今度は、お、溺れる~』


そして気がつくと二人は司令室のような部屋にいた


シンジ

『う、う~ん、あ、あれ?ココは?』


アスカ

『う~ん、は!、シンジ?シンジ大丈夫?』


シンジ

『ア、アスカ、どうやら何とか無事だったみたい』


アスカ

『のようね、でもココは一体どこなの?』


二人は部屋の中を見渡した

そして次の瞬間自分たちの目を疑った


加持

『やぁ、遅かったじゃないか、相変わらずだな二人とも』


聞き覚えのある声とその顔はまぎれもなくあの加持リョウジだった


二人目が点になりながら


アスカ

『か、か、加持さ・ん?』


シンジ

『加持さん、え?でも、だって、加持さん、あの時』


加持

『ああ、そうさ、あの時俺はゼーレの力で殺され掛けた、いや殺された、かな』


アスカ

『え?でもミサトが確かに、加持さんはって』


加持

『まぁ、なんて言うのかな、敵を欺くにはまずは味方からっていううだろ、それにこの先の未来を見届けてみたいって思って、そしたら無意識に正当防衛していたってところかな』


加持は自分自身に嘘を付いていた


アスカは心内に込めていた全ての思いを加持にぶつけると同時に抱きついた


アスカ

『もう、もう本当に、本当に心配、ううん死んだって思ってたんだからね』


加持の胸に顔を埋めながら泣き崩れるアスカ


シンジ

『か、加持さん、でも何故今頃?それに何故僕たちを?』


加持

『あ、すまん、すまん、そうそう、その事を話さないと』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る