第3話
それから少しの月日が流れ・・・
静まる病室にカーテンの隙間から一筋の光が差し込んだ
その光はシンジの目の辺りに
シンジ
『ん、んん、あ、え!何処だろうここは?』
天井見上げながら憶測で考えていると、思い出したかのように気付く
シンジ
『そ、そうだ、アスカ、アスカは、い、いてて、あれ?思うように体が動かないや』
面会謝絶程の重症ではなくなっていたが、まだ起き上がることなど出来るわけもない状態だった
そしてあの夢?の出来事を思い出し
シンジ
『そうだ、右手、右の掌』
シンジは恐る恐る自分の右手をゆっくりと布団から出し見つめた
シンジ
『!!!やっぱり』
するとシンジの足元の方でごそごそと物音が聞こえた
アスカ
『ん、シンジ?』
アスカが寝ぼけた感じでシンジの顔の方を見る
慌てて右手を布団の中に隠そうとするが、慌てた為肩を捻った
シンジ
『いててて』
アスカ
『シンジ、意識が戻ったの?ん!シンジなんで右手だけ出てるの?』
そう言いながらアスカはシンジの右手を掴んだ
シンジは掌を見られまいと少し力を入れた感じでアスカに手の甲を見せるが
アスカ
『ん!シンジあんた何で力入れてんの?病人はおとなしく力抜いて寝てなさい!』
そう言ってアスカはシンジの右の掌を見た
シンジは自分の掌にあるアダムを見られたと思い
シンジ
『あ!あのさぁ、コレは』
アスカ
『?????あんた何が言いたいの』
アスカのリアクションを不思議に思うシンジ
シンジ
「あ、あれ?え、だって、あんなの見たら普通」
アスカ
『なんでもいいんだけど、あんたあたしに掌見せて何が言いたいの?』
アダムは消えていた
シンジは再度確認の為に自分でまた右の掌を見つめた
シンジ
「あれ?ない、なんで?さっきまであった筈なのに」
アスカ
『もう、あんたまだ安静にしてなきゃダメなんだから、おとなしく寝てなさいよね』
新東京第三高等学校
シンジとアスカは一緒のクラスではなかった
それにあの時の友達は誰も居なかった
シンジ
『なんで、みんなしらないんだろう』
授業と授業の間の放課後アスカはシンジのクラスに来ていた
シンジは腕を首の後ろで組みながら椅子を傾けていた
アスカ
『ばっかねぇ~、あんたそんなの知ってるわけないじゃない』
シンジ
『だって、あんなに凄い事』
アスカ
『もう、シンジあの時の事は忘れなさい、あんた今自分がいくつになったか分かってんの?』
シンジ
『じゅ、じゅうろくさい』
アスカがシンジの頭をおもいっきり叩く
アスカ
『ばっかじゃないのあんた、当たり前でしょそんなこと、あれから二年経ってるんだから』
シンジ
『いきなり叩くなよ、もうアスカは相変わらず乱暴なんだから』
アスカ
『さて、そろそろ私も教室に戻るわね』
シンジ
『あ、あ、うん』
アスカ
『それと今日は部活で少し帰りが遅れるから』
シンジ
『う、うん、分かった、ご飯作っておくよ』
アスカ
『ありがとシンジ、じゃまたね』
シンジ
「僕とアスカは奇跡的にあの出来事から生き残ることができた、でももう、綾波、父さん、トウジ、ケンスケetcみんな全て死んでしまった、いや死んだのではなく消えたのかも知れない、それにアスカもようやく最近以前のアスカらしくなって、元気になった、でももう役目の終えた僕達は一体どう生きていけば、いや生きる事に役目なんてない、この先僕はどうすればいいのか・・・」
平和な毎日、繰り返される日々、なんの変化もない未来
シンジ
『カヲル君、これがみんな望んだ平和な世界なの、綾波、僕はこの先どう生きてゆけばいいのか分からないよ』
シンジにとって今の何もない平穏な日々の方が自分にとって辛い事なんだと思い始めていた
いつもの街並いつもの帰り道
シンジは突然立ち止まって空を見上げた
シンジ
『カヲル君・・・』
シンジは自宅に帰ると何気なしにTVのスイッチを入れた
ニュースキャスター
「ええ、ここドイツでは、今の科学技術では考えられない形跡の、これはなんといったら良いのでしょう」
シンジが少しテレビを見入っていると丁度タイミングよくアスカが帰宅
アスカ
『ただいまぁ~、シンジ今日のご飯は』
アスカはそう言いながら部屋に入ってきた
アスカ
『ちょっとシンジ、そんな所で何突っ立ってんのよ』
そう言いながらシンジと同じTVの方へ目をやった
アスカもそのTVをみて手に持っているカバンを床に落とし呆然としながら立ち尽くしていると、突然フル武装の軍隊らしきものに囲まれた
戦闘員A
『エヴァンゲリオン元初号機パイロット碇シンジ』
戦闘員B
『エヴァンゲリオン元弐号機パイロット惣流アスカラングレー』
戦闘員A
『現時刻を以って両者二名捕獲致しました』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます