第42話
幸い、彩菜は僕の体質を受け継いでなかった。僕は安心した。なんでかというとこの体質を持ったせいで、辛い思いをしてほしくないし、親としては自分と同じような苦しみは味合わせたくなかった。そう僕は無汗症だ。僕のこの病気に気づいたのは弟だった。ある日の事、俺と隼人が万引きをしてなかった頃、お母さんが生きてた頃、僕はふと弟と一緒に遊んでいた。
その時だった。隼人は僕と一緒に走っていたのだ。隼人はなにかに気づき、母さんを呼びに帰った。なんだろうと思った母は僕をみてびっくりしていた。隼人は汗をかいていたのに、僕はかいてないし、熱がびっくりするほどあったのだ。母は僕をこんな体に生んだことを責めていたのだ。毎日、毎日。そんなことがあり母は元から身体が弱くて倒れてしまった。医師がもう手の施しようがないといい、母は亡くなる前に隼人に「お兄ちゃんの事頼むね」と一言だけ言い残していたのだ。だから隼人はあんなに俺を守ってくれたんだと思った。夕方涼しくなったころ、俺は彩菜を迎えに行く。隼人が彩菜に「パパは暑い日差しの所で彩菜と遊べない。それでも彩菜はパパの事好きか」と聞いていた。うん彩菜は隼にいと呼ぶ。これは生まれた時に隼人はおじさんって年じゃないし隼にいって呼ばせたらと思って考えてたことだった。「私パパが病気でも関係ないよ。それにいつも月の下で肩車してくれてお話をしてくれるパパが大好きだよ」というのだ。「そっか。もう少し大きくなったら彩菜がパパやママを守ってくれるか」と聞く隼人。すると「うん。パパが出来ない事、彩菜が全部するの。それでママも助けるの」という。隼人は嬉しそうにそっかといい微笑んでいた。俺はしばらくそんな彩菜と隼人の光景を見ていたのだった。
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