第35話
「昴さん」と呼ぶと、俺は昴さんに話を聞いていた。
「佐東先生、ありがとうございます。俺は茂樹と辰のふたりに暴行をして一人死なせてしまったんです。もうアルコールを断ちたいとは思うんですが、呑んでしまって。」というのだった。
「そうか。やめたいんですね。昴さんは」というと「ここでの治療、終わったら俺を警察に連れて行ってください」というスバルさん。
「はい、わかりました」というと、昴さんはこういった。
「俺、アルコール依存症になってしまったのはなんででしょうか」という。「そうですね。抱え込みすぎたのかもしれないですね。昴さんは、そこにあったのがたまたまアルコールだったってことなんです」というと、「そっか。でも弟に手を出してしまって、その上殺してしまうなんてダメな兄貴だよ」といい、自分をせめていたので、「お酒に人生を狂わされたんですね。親父もそうなんです。でも親父は自分の意志でやめたんですよ。あなたはまだ若い。だからまずは自分のために頑張ってみたらいいですよ」という。「俺頑張ります。自分のためにも」というと「俺が警察に行く日なんですけど、秀樹には内緒にしておいてください」というので、「わかりました」と伝えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。