第13話
「皆さんこんにちは、俺は狩場満といいます。まず俺の事を知らないという人、手を挙げてほしい」というと数人が挙げた。
「俺は希望の家の代表です。希望の家は俺のお師匠さんである、猫フミヤという人が親の事情により育てられない人のために作った、いわば孤児院みたいなところですが、この施設には役目がたくさんあります。例えば、虐待で心の傷を負わされた子たちの支援やいじめ対象になってる子供たちの救済とかです。
さて君たちに質問です。「この学校でいじめられてる人を見た人、手をあげてください。では、自分はいじめられてるとか逆にいじめられてる人手を挙げて」というとあげないのでこういった。
「わかりました。君たちはいじめがないのだといいたいと思います。だけど、この学校ではいじめられてる人はいます。
いじめはあります。いじめられてる人はなぜ手をあげないのかとおもってますか。それは、手をあげれば助けてくれるということにはならないからです。ではいじめをしている人は。なぜ手をあげないのでしょう。それはしてることに罪悪感を感じてる、自分は悪いことをしてる自覚がある、だから上げないんです。
実は俺が希望の家にいる理由は、俺には親がいません。なぜかってそれは親を亡くしたからです。亡くなってる理由をみなさんの前でいうことは本当はしたくありません。なぜなら、俺は親を自分の手で殺めた殺人犯です。本当なら殺人を犯したなら刑務所ですよね。俺は逃げました。刑務所に行きたくなくて、それで子供を売る売人に捕まりました。
その時点で逃げたかったのに、売人は俺に暴力を振るいました。その暴力の傷は俺の身体に一生残ってます。後で興味のある方は行ってください。見せますから。その後、俺はある人に出会いました。それが俺の師匠さんと呼ぶ猫フミヤです。師匠さんは探偵という職業を持つかたわら、希望の家の代表でした。その時もうすでに師匠さんはすい臓がんで余命一年でした。俺は師匠の後を継ぎ、希望の家で救済した家族の中には、育児放棄された兄弟がいます。今もその兄弟たちは希望の家から会社出勤していますが、彼らも生活費をいれてくれたりしてます。その兄弟の兄は今この会場で患者の付き添いとしてきてる医師です。彼は、はじめ、学校の教育についていけない子でした。ですが勉強はすごく大好きで、暇なときは勉強するという努力を積み重ねて大学病院の全身科医師になりました。そこには彼の努力もあったけど、親切な人が支えてくれたから、立派になりました。それでも彼もやはり親を殺そうとしたときがありましたが、あの時止めてよかったと思います。俺みたいに人を殺めたりしたら、後で苦しむのは君たちです。いじめは殺人と同じということを忘れないでください。俺の講演を聞いて気が付いたならその子に謝ってください。」
こうして俺の講演は終わった。
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