第14話

この講演の後の事だった。私に声をかけてきたのは、ノートに死ねと書いてきた男の子だった。「ごめん」という彼に「もういいよ。わかってくれたなら」と私は彼を許した。彩斗さんは彼に話をした。「なんで真菜さんにあんなことを」と聞いたら、「ただ、八木がうらやましかっただけだ」という。すると彩斗さんは何かに気が付いたらしくて、「真菜ちゃん。なんか彼には事情がありそうだね。真菜ちゃんも連れて行くけど、君も一緒に来て。」という彩斗さんにこくりうなずいた。そこは保健室だった。「ちょっと借りていいですか」というと保険医の先生は「どうぞ」という。その顔に見覚えがあったらしい彩斗さんはもしかして八秋さんという。「ああーまだ闇の番人は副業だけど、一応子供が好きで、たまに学校の保険医として顔をだすよ」という、八秋さんに一行は唖然としていた。そして彩斗さんが「君の名前を聞いてなかったね」というと「俺は松井茂樹です」といった彼。

「松井君、ちょっと服脱いでくれない」といったのだ。

「嫌です。八木には見てほしくない」というので、「八秋さんと一緒にいるから」という私。するとカーテンの奥で、服を脱いだ彼の身体を見て彩斗さん。「ひどい。これは・・・。このあざ一体どうしてできたあざなの」と聞いた彼は「階段から滑らせた」というが、「誰かかばってるな。」と聞いた時、悲しい顔をした彼をみた彩斗さんは「とにかく、うちの病院に入院しよう」というと、私も一緒に帰った。

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