第6話
希望の家に来てしまった。そのSPの人に「彩斗さんいますか」というと「もしかして真菜ちゃん、いやーそれにしても大きくなったね。」と言われていた。その声でわかったのか彩斗さんが急いで出てきた。すると、彩斗さんは「病院で君に声なんかかけなければよかったのかな。ごめん。つらい事になってしまって」という彼に、私は「あの時の辛い事ばかりじゃなかったので、彩斗さんとの約束してたことまで思い出せなくてすみませんでした。」というと、「真菜ちゃんは幼い頃から変わってないね。もう一人で抱え込んでしまわないで、お願いだから。心配してくれる家族もいることを忘れないで」といった。「彩斗さん、身体真っ赤ですけど大丈夫ですか」というと、かなり熱いので満さんを呼んだ。「真菜ちゃん、クーラーつけるけど大丈夫かな」というと私は「はい」といった。クーラーをつけて音で思い出してしまったため外に出たが、彩斗さんの気持ちを踏みにじってるような気持ちにさせられてしまった。そんな時、栞さんが「真菜ちゃん、彩斗はちゃんとわかってるよ。だから気にしなくていいよ」といい、私を落ち着かせてくれた。そして栞さんは自分の話をしてくれた。「私ね。売られていたの。それで私も体にいたずらをされたのよ。でもこんな私を満が買ってくれたの。最初は戸惑ったよ。でも満は、こんな私を受け入れてここに居場所を作ってくれた。生活してるうちに満と結婚したいと思ったの。」という栞さん。「栞さんは強いですね。思い出したくない過去とも向き合って、話せるなんて。私にはできませんよ」というと、「真菜ちゃんは頑張る必要なんてない。彩斗もそれを望んでない。自然でいいと思うよ」という彼女の言葉が、なにか心にスーッと入ってきた。
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