旨いもん

～太郎のアパート～

え゛ぇ゛ぇ゛～！！

次郎の嘆き声が響く。

「旨いもん楽しみにしていたのに」

「しょうがないだろ、失神していたお前が悪いのだから」

「だって…」

「ところで、どんな料理があったんですか？」

「聞きたいか？」

「もう～、勿体ぶらないで下さいよ」

駄々っ子のように、手足をバタバタさせる次郎。

「分かった、分かったから」

「まず、オマールエビのソテーだろ、そして舌平目のムニエルに、キャビアとフォアグラの…それとトリュフの…etc」

「もういいです！」

「何だよ！お前が聞きたいって言うから、教えてやってるんじゃないか！」

「だって、楽しみにしていた分、聞いてると腹が立って来るから…」

「旨かったぞ」

「もう～ぅ゛」

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