第79話

彼女の手助けが功を奏して、有難い事に評判も良く炎のイリュージョンショーの人気は、うなぎ登りになった!


いつしか“炎のジャングルの王者”と呼ばれるまでになっていた。


お見合いパーティーの司会をしていた時に、“炎の忍者”と呼ばれていた事を懐かしく思い出した。


何だか妙に炎に縁があるみたいです。


そして、炎のイリュージョンショーも定着してきた頃に、ファイヤーダンサーの怪我も治り、無事に繋ぎ役としての役目を終えようとしたらーーーー。


赤道アイランドの方から、そのまま別枠を設けるので炎のイリュージョンショーを続行して欲しいと頼まれた。


とても嬉しい事なのだが、こればっかりは譲れない。


私には、一時休止していた家宝探しを再開させなければならないので。


あくまでも、ファイヤーダンサーの怪我が完治するまでの期間の約束だったので。


私は、正直に全ての事情を包み隠さず、赤道アイランド側に話をした。


すると、渋々ではあるが納得をして貰う事が出来た。


終始協力的だった彼女も次の場所までついてきてくれる事になった。


ヤッターー!!!


こんなに心強い事はない!


私は、早速最後の場所を目指し日本地図の描かれた家宝の和紙を広げ綿密に計画を立てた。


予定通りオーディションにも受かり、新天地に足を踏み入れた。


そして、最後に訪れた場所とはーーーー。


世界のおっちょこちょいをモチーフにしたテーマパークで、その名も“おっちょこちょい村”だった。


私は、ここでおっちょこちょいの人役に扮して、おっちょこちょいな性格から招かれる日常生活に起こる、様々なハプニングに合わせて、アクロバティックなズッコケリアクションをするのです。


根が、おっちょこちょいなので、今までショーで演じてきた色んな役の中で、一番しっくりきている気がした。


しかも、演じていて楽しくてしょうがない。


おそらく、地で出来るから無理がないのでしょう。


更に劇場には様々な仕掛けがあり、舞台セットにもお金がかかっているし、最後のショーに相応しい大舞台になった。


今までのように楽しさ余って忘れない内に、家宝探しにも余念がないように動き出した。


休日を利用して、彼女と二手に分かれて“アレ”の置いてある神社を探した。


その甲斐あって、思ったよりも早く見つけだす事に成功した!


しかし、ここまできてまたもや予想もしなかった同じ事が起こるとは…………。


いったい誰だ!


私よりも先に“アレ”を購入した奴は?


全く見当もつかないのだが。


嫌がらせにも程がある!


くっそーーーーーー!!!


今度こそ万事休すか………………。

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