第六章
第78話
六つ目の“アレ”があった神社を発見したのだがーーーー。
重大な問題が発生した!!!
誰かが、先に“アレ”を購入したと言うのだ!
完全に終わった…………。
私の家宝探しの旅もこれまでか。
あと二つだったのに。
こればっかりは、どうする事も出来ない。
しかし、私以外に“アレ”を欲しがる者がいたとは誤算だった。
しかも、“アレ”の存在を知っている者が何故いたのか?
そこが最大の疑問なのだが。
こんな形で終焉を迎えてしまう事になるとは…………。
今まで応援してくれた方々や仲間達に顔向けが出来ない。
ここまで来る為に、どれだけの犠牲を払ってきた事か。
これからどうしよう…………。
私の家宝探しと言う目標までも失う事になる。
私の落ち込んでいる姿を見た彼女がーーーー。
「まだ、もう一つあるんでしょ!」
「………… うん…………」
「だったら、そのもう一つを先に見つけ出してから、最後に購入した人を探し出す事にすれば!」
「確かに…………」
「ここでウジウジ悩んでいても先に進めないし、今までの苦労が水の泡になるよ!」
「そうだね…………」
「そうよ! 乗りかかった船だし、私も手伝うから!」
「ありがとう!」
彼女の前向きな言葉に救われた!
そうだ! こんなところで挫けている場合ではない!
元気を取り戻した私は、次の場所に行く為に赤道アイランドを去る決意をした!
そして、一身上の都合を理由に辞める手続きをしようとしたらーーーー。
逆に、ジャングルの王者のショーと兼任してファイヤーダンスもやって欲しいと頼まれた。
理由を聞くと、ファイヤーダンサーが練習中に怪我をしたので代わりが居ないとの事だった。
ギャラも三倍くれると言うのだが、お金の問題だけではなく困った時はお互い様なので、家宝探しは一時休止して赤道アイランドの為に、一肌脱ぐ事にした!
しかし、ひとえにファイヤーダンスと言っても素人が一長一短で出来る代物ではないのだ。
大きなナイフの両端に燃え盛る炎を点けて、身体の周りをバトンのように自由自在に回して操り勇敢に踊るのだから。
練習する期間もないし、まず無理でしょう。
そこで、私が提案したのがジャングルの王者による炎のイリュージョンショーでした。
アクロバットやミニトランポリンを使っての宙返りで、炎の輪をくぐり抜ける技や、お祭りマン時代の弟子に教わったイリュージョンを応用して、布で覆い被せた人物を空中に浮かせ、火をつけて炎に包まれたと同時に人物ごと消し去ると言うものなど。
幾つかネタ見せをしたら、全て採用された!
そして、とりあえずファイヤーダンサーの怪我が完治するまでの間、炎のイリュージョンショーで繋ぐ事になった。
しかし、流石に炎に包まれて人物を消し去るイリュージョンで、お客様をピックアップする訳にはいかないので、アシスタントとして彼女にも手伝って貰う事にした。
幸いにも彼女は、元ダンサーでスタイルも抜群だったので、ジャングルの王女役として、皮に見立てた布切れで出来たビキニを身体に纏わせて出演して貰った。
彼女は、久しぶりに人前に出るのに、しかもこんな姿で恥ずかしいと直前までゴネていたがーーーー。
いざショーが始まると、満更でもなさそうだった。
更には、ジャングルの王者より目立とうとしていた。
一度でもスポットライトを浴びた人は怖い…………。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます