第69話

ある雨の日。


雨が降ると、保安官と泥棒のアクションコメディショーは野外ステージの為、中止になるのです。


だからと言って休みになる訳ではないのだ。


雨が止んだり、小雨位だとショーは出来るのでーーーー。


あくまでも、待機しているのだ。


そう言う事で、楽屋でテレビを観ながら後輩と待機をしていたら、良いニュースが飛び込んできた。


児童養護施設に寄付金やランドセルが届いたと言うのです。


しかも、匿名で!


物騒なニュースが多い中、こうしたニュースを観ると、世の中まだまだ捨てたもんじゃないなぁと感じた。


単純に、こうした行動が出来る人を尊敬します!


私も見習わなければならない…………。


何か身近に出来るボランティアでも探して見ようかなと、思った瞬間に思い出した!


毎日が楽し過ぎて、また家宝探しを忘れていた。


アクション俳優で飯が食えていて、慕ってくれる後輩もいるし、支えてくれる彼女もいる。


今、正に普段の生活に満足している状態なのであった。


実際のところ幸せなのかもしれない。


この生活を捨ててまで、家宝を探す旅を続ける必要が果たしてあるのか?


私は、いつしかそんな事を考えるようになった。


後輩や彼女にも、それとなく家宝探しの事を告げた事はあったのだが、半信半疑なのか口では応援すると言ってくれていた。


私は、悩んだ…………。


しかし、これまでにも原始時代村やパッション村、そしてベジタブルランドの仲間達も応援してくれている。


ここで止めてしまうと、快く送り出してくれた仲間達に顔向け出来なくなるし、裏切る事にもなる。


そうだ!


家宝を探してミッションクリアした後に、ここに戻ってくると言う手段もある。


色々考えた挙げ句、とりあえずこの土地の神社に向かう事にした。


四つ目の“アレ”を求めて!


次の日のショーが終わった後、早速神社に向かった。


到着すると、なにやら神社が騒がしかった。


賽銭箱泥棒の被害に遭ったらしい。


神主を尋ねてみると、被害に遭ったのは賽銭箱だけではなく、神社で保管してある大切な神器なども盗まれたそうだ。


もしかしてと思って確かめたら、案の定“アレ”も盗まれていた。


あぁーーーー 終わった…………。


盗まれたのでは、これ以上どうする事も出来ない。


さぁ、どうしたものか…………。


私は、しょんぼりして神社を後にした。


部屋に戻り、何気なくテレビをつけたらーーーー。


また、お金持ちの家に泥棒が入ったと言うニュースが流れていた。


そして、最近連続して起こっているのを警戒したお金持ちの家には、隠し防犯カメラが数台設置されており、泥棒の姿がパッチリ写し出されていた。


泥棒は、黒い頭巾を被り黒いマスクをして、全身黒ずくめの服装だった。


これだと犯人を特定するのは不可能に近いでしょう。


しかし、私は違った!


原始時代村で忍者をしていた経験上(誰が、どの忍者を演じているのかを見分ける)、フォルムと立ち振舞いだけではなく、目を見たら誰なのか分かる特殊能力が養われていた。


そして、犯人を推測して驚愕した!!!

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