第59話

流石は世界を股にかけるテーマパークである。


訪れる来客数も半端ではないので、毎日のようにファンレターが届く。


今日も楽屋にファンレターが沢山届いた。


出演しているダンサーも多いのでトータルすると、凄い数になる。


故に、それを各々のダンサー宛ごとに配り分ける専門の係のスタッフまでいる。


その中でも、群を抜いて多かったのが王子様を演じているイケメン外国人ダンサーだった。


ショーの中でも主役である事も去ることながら、金髪で背も高くスラッとして足も長く笑顔が爽やかなイケメン外国人ダンサー。


ショーを観に訪れた女性は皆、虜になってしまうだろう。


性格も穏やかで人柄も良く女性ダンサー達からも人気ナンバーワンの存在であった。


そんなイケメン外国人ダンサーにも悩み事があった。


それは、どれだけトレーニングをしても体質的に筋肉が付きにくいのだと言うのだ。


待ってました!!!


私の専門分野です。


私は、昔スポーツトレーナーをしていた経歴を話し、マッスルポーズをとった!


そして、服を脱ぎ筋肉を見せびらかした。


すると、イケメン外国人ダンサーは、是非とも筋肉の付け方を教えて欲しいと言ってきた。


私は、親指を立ててオッケーサインをした!


そして、私の知っている限りの知識を駆使してアドバイスをした。


筋力トレーニング方法も丁寧に指導をした。


私の熱心で丁寧なトレーニング指導に、酷く感銘を受けたイケメン外国人ダンサーは突然ーーーー!


秘密を教えてくれると言い出した!


一部の仲の良い外国人ダンサーは、知っている事なのらしいのだが。


果たして何だろう?


当ててご覧と言われたので考えた。


こんなに全てにおいて完璧に見えるイケメン外国人ダンサーの秘密って???


私は、適当に思いついた事を順番にぶつけてみた。


しかし、どれも違っていた。


しびれを切らした私は、降参をして答えを教えて欲しいと打診した。


私が、あまりにも早く答えを聞きたがるものだから、逆に勿体振って中々教えてくれなくなった。


私は、冗談で脇をこちょこちょしたりして必要に迫った。


すると、意外にもこちょばがり屋さんだったみたいで、激しく体をよじって揺さぶりながら逃れようとした瞬間!


答えが分かった!!!


あまりにも、反射的に激しく体を揺さぶって逃れようとしたものだからーーーー。


その反動で金髪のカツラがズレた…………。


私は目を疑ったが、ズレた金髪のカツラを外して、一礼した後に反対側に被るイケメン外国人ダンサーのパフォーマンスを見てーーーー。


何とも言えない感情を抱いた。


イケメン外国人ダンサーは、これが秘密さ! っと言わんばかりに微笑みかけてきた!


私は、そんなイケメン外国人ダンサーに秘密を教えてくれてーーーー。


「ありがとう!」


と言ってハグをした!!!

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