第39話

昨日のお酒が残っていて二日酔いだが、楽しかったので非常に心地良い二日酔いだ。


さぁ、ミッション開始!


”アレ“を買うお金も貯まったので、早速神社に出向いた。


神社に到着し、巫女さんを訪ねて神主さんを呼んで貰った。


「おぉぉ! いつぞやの青年!」


「お久しぶりです! すみません、随分と時間がかかりまして」


「いやいや、大丈夫ですよ」


「はい、これ!」


神主さんは、そう言って“アレ”を差し出した。


「ありがとうございます!」


私は、お金を渡して受け取った。


高価なものなので、すぐに鞄に仕舞い込んだ。


そして、挨拶もそこそこにして足早に寮に戻った。


これで、七つある中の一つ目をコンプリート!!!


一つゲットするだけで、こんなに期間を要してしまった。


このペースで七つ集めていたら、何年かかるか分からない…………。


もっとペースアップをしなければ!


私は、家宝を取り出し日本地図の描かれた和紙を広げた。


そして、次の鳥居のマークの位置を確認した。


それから、周辺にあるテーマパークを探した。


見つけたぞ!


早速、連絡してオーディションを受けさせて貰う所まで漕ぎ着けた。


そして、オーディションの日を迎えた


私は、まだキャリアは浅いがプロのアクション俳優としての自負があったので妙に自信があった。


案の定、オーディションでも得意のアクロバットを披露したら好感触だった。


基本的には、ショーダンサーを募集していたらしいのだが、並外れたアクロバットのレベルが買われてパレードダンサーとして雇って貰える事になった。


ラッキー!!!


しかも、寮にも入れる事になった。


原始時代村の仲間達に、オーディションの結果を伝えたら皆喜んでくれた。


”アレ“探しの旅に、益々拍車がかかってきた。


仲間達の応援を受け、次に向かったテーマパークとはーーーー。


情熱の国をモチーフにしたその名も“パッション村”であった。


パッション村での私の仕事はパレードダンサー。


昼間に行われるパレードに、アクロバットダンサーとして出演する。


ちなみに、ダンサーでもアクロバットが出来る者は沢山いるのだが、高度なアクロバットが出来るのは私だけだったので振り付け師兼演出家が、私の為にソロでアクロバットをする場面を作ってくれたようなのだ。


非常に有難い事だ。


しかし、振り付け師兼演出家のダンスの部分の演出が…………。


「もっとカマっぽく!」


と何度も言ってくるのだが、全く訳が分からない。


そんな演出ある?


”カマっぽく“ってどう言う意味なんだ?


まさか! 原始時代村での時のカマキリ拳法の噂を知っているとか?


いやいや、流石にそれは無いだろう。


いや、そう願いたい!!!


しかし、アクション講師と大人のテーマパークの3D映画に出演していた俳優が知り合いだった事もしかり、エンターテイメントの世界は狭いから、誰と誰が何処でどう繋がっているのか分からないからなぁ…………。

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