第29話
いつものように、ショーが終わった後に写真撮影に応じていたらーーーー。
綺麗な御姉様方から手紙を貰った。
いわゆるファンレターって奴です。
私は、急いで楽屋で確認をする事にした。
「こんにちは、忍者の皆さん。 毎週日曜日に訪れています。 もう金曜日あたりから、忍者さん達に会えると思うだけでワクワクしています。 どうかお身体に気を付けて頑張って下さい」
これが手紙の内容でした。
文章の最後にーーーー。
「P.S もし良かったら、是非とも忍者さん達に地元の美味しい料理をご馳走したいので連絡して頂けたら嬉しいです」
と書かれて、電話番号が載っていた。
まぁ、私宛と言うよりは忍者全般なので仲間達にも手紙を見せる事にした。
すると、天然パーマの者が、いつになくノリノリでーーーー。
「あとは、俺に任せてくれ!」
と言って手紙を持って行ってしまった。
ちなみに、天然パーマの者は忍者役ではなく原始人役なのだが…………。
同じ仲間だし、この際細かい事はいいか。
後日ーーーー。
天然パーマの者が「連絡をして向こうの奢りで食事会の約束をしたから行きたい者を選出する!」
と言い出した。
しかも、五対五の合コンスタイルに決まったらしい。
結局、公平にジャンケンで決める事になった。
しかし、一番の功労者である天然パーマの者が負けて参加出来なくなると言う悲劇の結果になってしまった。
運とは残酷なもの…………。
私は、運良く勝ち残りましたが。
そして、合コンの日を迎えた。
地元では、そこそこ有名な懐石料理屋さんで行われる事になった。
綺麗な御姉様方が五人揃って店の前で待っていた。
「すみません、お待たせして」
とガラガラ声の者が挨拶をしたのだが、何回か聞き直されていた。
綺麗な御姉様方が、私達を店内のお座敷まで案内をしてくれた。
(こんな高そうな処、本当にご馳走してくれるのかな)
私は内心、不安がよぎった。
でも、こんな機会はめったにないので楽しむ事にした。
高級なお酒で乾杯から始まり、料理も普段食べ慣れていない高級料理が次々に運ばれてくる。
会話も弾み和気あいあいとした、心地良い時間が流れてゆく。
お酒も入り綺麗な御姉様方も大胆になり、洋服をはだけ出したりボディータッチが増え始めた。
案の定、待ってましたとばかりに下ネタトークに突入した。
そして、大盛り上がりの真っ只中ーーーー。
いきなりガラガラ声の者が、ガラガラ声でキレ出した!
何が気にくわなかったのか分からないが…………。
「お前らは結局! これが欲しいんだろ!」
そう言ってズボンのチャックに手をかけた!
出たーーーー!!!
“伝家の宝刀”ーーーー!
抜いた!!!
ガラガラ声の者は、“一物”をさらけ出し綺麗な御姉様方の顔に近づけた。
「キャー!!!」
綺麗な御姉様方が、一斉に悲鳴を上げた!
これは、まずい事になってしまった…………。
警察を呼ばれると、厄介な事になる。
私達は、綺麗な御姉様方に謝り倒してーーーー。
逃げるように店を出た。
店の前で、人相の悪い数人の輩達が、たむろしていたのが気になったが。
数日後、テレビのニュースを見ていたらーーーー。
見たことのある顔ぶれが捕まっていた。
容疑者達は、間違いなく綺麗な御姉様方だった!
容疑は、美人局らしい。
危ないところだった…………。
あそこで、ガラガラ声の者が“一物”をさらけ出さなかったら、私達も危うく被害者になるところだった。
“一物”に助けられた。
ガラガラ声の者の“一物”はーーーー。
正に“伝家の宝刀”だった!!!
ちなみにーーーー。
ガラガラ声の者の“一物”は神聖いや、”真性“なので正確には“伝家の宝刀”は鞘に納まったままの為、抜いていない事になる。
従って綺麗な御姉様方の悲鳴は、そっちによるものだったのかもしれないが、“真性”いや真相は定かではない…………。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます