第23話

原始時代村オープンに向けて、各セクションの設備点検が行われる事になり、全体休日になった。


気晴らしに仲間達と原始時代村の近くにある前々から気になっていた通称“大人のテーマパーク”へ遊びに行く事になった。


私達の原始時代村の売りは、原始人のアクションショーなのだがーーーー。


“大人のテーマパーク”の売りは、縞馬のリアクションショーらしい。


入場料もなかなかの強気な値段だったので、期待が膨らんだ。


入り口から数十メートルに渡り、頼んでもいないのに人形が四十八手と一手を加えた新技の四十九手目をレクチャーしてくれていた。


進んで行くに連れて過激さが増してゆく。


そして、どんどん大人の世界に誘われていく。


どっぷり大人の世界に浸かった頃、遂にメインイベントの場所に辿り着いた。


「さぁ、これから雄のひゅうま君が、雌のマコちゃんに会いに行きます」


軽快に状況アナウンスをする年配の女性の声が聞こえてきた。


私達は、特等席まで歩み寄り見守る事にした。


「あれれ? どうしちゃったのかな?」


「マコちゃんが、そっぽを向いちゃいました」


「人間にもあるように、縞馬にも相性と言うものがあるのです」


「誰かさんみたいに誰でも良い訳ではありません」


「ひゅうま君は、一方的に大きくなっちゃったけど我慢してもらう事にします」


「ふとし君とバトンタッチしましょう」


「あん………… 今度は相性が合ったみたいね」


「只今、三十センチ!」


「おっと!四十センチ!」


「あっと言う間に五十センチ!」


「まだいける! 頑張れふとし!」


「やっほーー! 六十センチ!」


「ブラボーー! 七十センチ!」


「それ! いけ!!!」


「ワン! ツウ! スリ! ピャッ!」


「只今、終わりました…………」


「自然界では様々な外敵に狙われるので、早ちゃんなの」


「ふとし君とマコちゃんに大きな拍手を!」


特等席で何を魅せられているのだろう…………。


私達は先を急いだ!


次のステージに向かう為には、絶対通らなければならない橋が架かっていた。


橋の中盤辺りに差し掛かった時、バイブレーターのように小刻みに揺れ出した。


揺れた振動でバランスを崩した鼻メガネをかけたような顔をした者が、腹這いになって倒れた。


「大丈夫か!」


手を貸して立ち上がらせようとしたがーーーー。


「俺の事は、いいから先に行ってくれ!」


と腹這いに戻り股間を押し付けて訳の分からない事を言い出したので、本人の意向通りそのままにして先に進んだ。


鼻メガネをかけたような顔をした者は、メインイベントの後半辺りから様子がおかしかったのを覚えている…………。


次の場所の入り口で3Dメガネが配られた。


座席に案内されたと思ったら、映画が突然始まった!


しかも、大人の3D!!!!!


あれやこれや立体化された映像が、悪乗りをして次々に目に飛び込んでくる。


見終わった後、今まで味わった事のない程のなんとも言えない感覚に苛まれた。


途中、ガチャガチャがあったのでやってみると、文章で表現するのが難しい位の動くユニークで卑猥なオモチャが当たった。


“百聞は一見に如かず”である。


そして、また頼んでもいないのに人形が親切に大人のアレコレを色々と教えてくれた。


やっと辿り着いた出口では、大人の“免許皆伝の証”を貰った。


この証は、履歴書の資格の欄に記載出来るレベルのモノなのかなぁと考えながら出口を出た。


そして、少し歩いた所でーーーー。


「あっ!!!」


思わぬ方とばったり出くわした!


その人物とはーーーー。

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