第21話
なんだかんだ怪我人を出しながらも、撮影は全然無事にとは言えないが何とか終わった。
寮に戻ったら、撮影で冷えたせいなのか腹痛を起こしてしまいトイレに駆け込んだ。
用を済ませ、いつものようにトイレを流したのだが流れずに水が溢れ出した…………。
焦った私は、すぐさま管理人さんを呼び対処して貰う事にした。
管理人さんは、慣れた手つきで通称“スッポン”と呼ばれる器具で、トイレの詰まりを取り除こうとしたのだが上手くいかなかった。
大概のトイレの詰まりは、これで解決出来るみたいなのだが、今回の詰まりはかなり手強いらしい。
すると、他の部屋のトイレでも同じ現象が起こっていた。
業を煮やした管理人さんは、躍起になって対処しようとしたのだが、健闘は虚しく終わった…………。
結局、業者に下水道を調べて貰う事になった。
調査した結果、原因が判明した。
その原因とはーーーー。
通称“ゴム”と呼ばれる男性が装着する避妊具が大量に下水管に詰まっていたとの事でした。
この報告を受けた管理部の方から緊急招集がかかった。
私達一同は、例の如く道場に集められた。
そして、恒例のやり取り…………。
いや、儀式が始まった。
「皆! スターになりたいか!」
「はい!」
「スターになりたい者は手を挙げろ!」
「はい!」
一同挙手!
「村内では恋愛禁止!」
「以上!!!」
村長の話しが終わった。
いつもの事ながら、これだけの為にかよと思いながら帰る準備をしていたらーーーー。
「女子は帰ってよし! 男子は残るように!」
とアクション講師から指示が出された。
男子は指示通り残った。
するとーーーー。
「一列に整列!」
アクション講師が、男子一同を整列させて先程、村長から預かった束の封筒を一枚づつ配り始めた。
なんだろうと受け取った封筒の中身を覗いたらーーーー。
現金が三万円も入っていた。
アクション講師曰くーーーー。
「村長からの御好意だ! これで処理してこい!」
との事でした。
だから、女子には手を出すなと言う事らしい。
しかも有難い事に、来月の給料から処理手当てとして三万円がずっと支給される事になったらしいのだ。
男子の間では、通称“ヌキ手当て”と呼ばれている。
何はともあれ、給料が上がると言う事実に間違いないのだから喜ばしい。
お金に困っていたハの字眉毛の顎の長い者と私は特に喜んだ。
私は、神社で“アレ”を買うお金の足しになる訳だし。
当然、ハの字眉毛の顎の長い者も家族への仕送りの足しにすると思いたいので…………。
だがしかし、血気盛んな健康な若い男女が集まっている事も去ることながら、只でさえ体力が有り余っている者達が欲を抑えきれる訳がないのだ。
そんな簡単にお金で解決出来る事でもないし、村長の思惑通りに行くはずもなかったのは言うまでもない…………。
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