第18話

「ゴホンッ」


「ゴホンッゴホンッゴホンッ」


最近、やたらと咳が出る。


喉も少し痛いし、目も痒い。


原因は、誇りであった。


テレビや冷蔵庫の電化製品にも埃が被っている始末。


確かに、随分と部屋の掃除をしていない。


私は、管理人さんに掃除機とハタキを借りる事にした。


たまにしかしない為、今回は入念に掃除をするように心がけた。


ベッドの下など掃除した事がなかったので、移動して掃除機をかけようとしたらーーーー。


なにやら、ガムテープでぐるぐる巻きにされた黒いビニール袋に入った物体が出てきた。


(何だ? これは?)


とりあえず、気になったので開けてみる事にした。


しかし、これがまた厳重になっており、黒いビニール袋の中の物体は新聞紙が何重にもまかれていたのでした。


開けていくうちに、中身の形が分かるようになってきた。


直感で何だかヤバイものではないかと感じた。


明らかにこの形はアレにしか思えないのだが…………。


そんなはずはない。


そんなものがある訳がない。


私は、仲間達を呼んで一緒に確かめる事にした。


「さあ、開けるぞ!」


私は、最後の新聞紙を捲った。


「あぁぁあ!!!」


皆、一斉に驚いた!


私の予想は見事に的中した。


厳重に新聞紙でくるまれていたものの中身はーーーー。


“拳銃”だった!


何故、こんなものがベッドの下から出てくるのだ!


しかも、よりによって私の部屋から…………。


嫌な予感がしたので、管理人さんも呼んで確認して貰う事にした。


「この寮は元々ビジネスホテルだったので、その時に利用したヤバイ連中が隠しておいたものなのかも」


管理人さんが、とんでもない事を言い出した。


確かに、こんなに厳重に梱包してあって、しかもベッドの下に隠すようにあったのだから、一理あるかもしれない。


これから使用するものだったのか?


それとも使用した後のものだったのか?


憶測が憶測を呼ぶ。


「この拳銃に誰か触れた?」


管理人さんが皆に聞いた。


「いや、新聞紙を捲っただけで拳銃には誰も触れていないです」


私が代表して答えた。


「よかった」


「どうしてですか?」


「もし、触れていたら指紋が付くから」


「そうか! 持ち主以外の指紋が付くとややこしい事になりかねないからですね」


「そうなの! もしも、持ち主が手袋をしていたら触れた者だけの指紋しか検出されないからよ」


「そうなれば、第一発見者である私が所持していたと疑われる可能性がある訳ですね」


頷く管理人さん。


兎に角、大騒ぎになる前に警察に届けた方が良いと言う事になり、私の部屋から出てきて第一発見者と言う事もあるので、私が代表して届ける事にした。


警察署に届けるまでの道のりで、拳銃を奪われたらどうしようとか、第一発見者なので疑われたらどうしようとか、落とし物を届けたと言う扱いになれば、落とし主が現れなければ私のものになるのかなとか色々バカな事を考えてしまう私であった…………。

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