第2話

愛子は、迷う事なくオカルト雑誌を購入した。


急いで家に帰り部屋に閉じ籠った。


それから、オカルト雑誌を広げ“呪い”の特集ページを読み始めた。


そこには、こう掲載されていた。


『あなたの恨み、はらせます!』


※注意:悪用禁止!!!


(恨みをはらす事に、善用も悪用もあるのか?)


と疑問に思った愛子であったがーーーー。


正直そんな事は、どうでも良かった。


早くやり方を知りたいだけだった。


そして、じっくりと熟読した後、早速行動に出た!


まず、毛髪を手に入れてーーーー。


次に、唾液を手に入れる。


それから、身に付けているものを手に入れる。


このターゲットになる人物の三点が、絶対に必要不可欠になるのだ!


そこに、付録として付いていた御札と、他に書かれていた必要な物を諸々集めて準備が整う。


後は、丑三つ時になるのを待ち、ある場所に行き“呪いの魔術”の儀式を執り行うのだ。


これが、オカルト雑誌に掲載されていた、やり方なのであった。


そして、丑三つ時を迎えてある場所まで行き、何の躊躇もなく淡々と儀式を執り行う愛子であった。


一週間続けたが、ターゲットの人物に何の変化も表れなかった。


元々、信憑性の低いオカルト雑誌だった為、半信半疑だった事に間違いないが、憎しみが其れを上回り藁にも縋る思いで実行したまでなのだが…………。


どうしても、諦めきれない自分がいた。


愛子は、独自に儀式の方法をアレンジして色々試してみる事にした。


高校に入学した愛子だったがーーーー。


アレンジは続き、研究に研究を重ねて半年が過ぎた頃、遂にターゲットの人物に異変が起こった。


最近、動悸や息切れが酷く不整脈になると、ターゲットになる人物は口にしていた。


愛子は、少し手応えを感じた。


更に、アレンジを加え追撃をする事にした!


それから、一週間後に急性心筋梗塞で実父は他界した。


偶然なのか? 必然なのか? それとも?


これが、本当に“呪いの魔術”の儀式での効果なのか、証明する事は出来ないがーーーー。


愛子的には、確信に変わっていた!


味を占めた愛子が、次に選んだターゲットの人物の三点セットを手に入れ始めた。


そして、効果の強弱の調節の研究も欠かさなかった。


一つ試してみたかったのは、三点セットの量だった。


特に、毛髪と唾液の量を減らして試みた。


すると、予想は見事に的中した!


一週間後、連れ子が原因不明の皮膚炎になり、全身が爛れて、酷い痛みと痒みを伴った状態になった。


益々手応えを感じていた愛子だった。


効果の調節は上手くいったので、次は効果が表れるまでの期間の調節もーーーー。


連れ子を実験台にして執り行った。


実験結果が出る頃には、全身が黒ずんで発狂を繰り返していた連れ子が、廃人のようになっていた…………。


そして、高みを目指し更なるアレンジと研究を重ねて、最後に選んだターゲットの人物の三点セットを手に入れた。


三日後、身体の一部が壊死すると言う奇病にかかった継母。


病院に行っても原因が分からず、セカンドピニオンでも治療の仕様がないと言われる始末。


継母は、壊死した足を切断する事を余儀なくされ、車椅子生活を送る事になった…………。


「フッフッフッフッフ」


薄気味悪く愛子が笑っていた。

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