第6話 ホブゴブリン尋問

さあて、ホブゴブリンよ。


よくも俺の可愛いユキに手を出そうとしたな?


彼女の純潔は絶対に俺が守り抜く。


彼女が処女であることは、パンティである俺がよくわかっているのだ。


「しかし、パンテオン様。

 このホブゴブリン、いかがなさるおつもりで?」


「決まっているだろう、拷問だよ。」


昨晩、こいつは「ゴブリンキング様の居場所なんか教えるわけがないだろう。」と言っていた。


その言葉から、こいつがゴブリンキングの居場所を知っていることは明白だ。


ならば、こいつからゴブリンキングの居場所を聞き出すのが手っ取り早いだろう。


だから、こいつを拷問するのだ。


無論、さっさと居場所を吐いてしまえば、楽に殺すまで。


「なるほど。さようですか。

 すぐに殺さず、必要な情報は引き出す。

 さすがはパンテオン様でございますな!」


それくらい当然だろう。


ってか俺、拷問の経験とか無いけど、大丈夫かなあ。


映画とかで見たことあるし、適当にやってみよう。


「よしホブゴブリン、お前を今から拷問する!

 さあて、まずは親指をへし折る!」


「おい待て!拷問するったって、何を聞くんだ!?

 いたぶるのは、何か聞いてからだろ、普通!」


おっとそうだったな。


「コホン、では・・・。」


と、俺が質問を始めようとすると、ホブゴブリンが話の腰を折る。


「ちょっと待て。

 ところで、なぜ人間のメスの股間から男の声がする?

 お前はなんだ?」


たしかに、俺のこと知らない奴からしたらそうなるわな。


てかなんで俺じゃなくてこいつが質問してくるんだよ。


こいつ、自分の立場わかってんのか!?


「コホン。

 俺はな、彼女のパンティであり、伝説の武具だ。

 つまり、彼女は伝説の勇者。

 心して尋問に答えろよ?

 さもなくば、勇者に切り捨てられることになるだろう。」


「なるほどな。伝説の勇者はやはり誕生していたか・・・。」


察しがいい様子。おそらく、こいつは魔王の復活も知っている。


魔王が既に誕生しているからこそ、勇者もやはり復活していたか、という発想をしているのだ。


「お前、魔王の誕生も知っているな?」


「ああ。でも、あくまで知っているだけだ。

 会ったこともねえし、居場所なんて知るわけねえぞ。」


まあ、こんな辺境のゴブリン村の長が知るわけないか・・・。


「では、ゴブリンキングの居場所を言ってもらおうか。」


「し、知らねえなあ。」


こいつ、シラを切るか。


ボキッ!!!


「ぐぎゃあああああ!!!」


俺は容赦なくホブゴブリンの親指を折った。


ああ、気持ち悪い感触だぜ・・・。


拷問なんて2度とやりたくないね。


「うっ、痛そう・・・。」


ユキは当然、拷問など見たことが無い。


少し刺激が強かったかな。


さて、ホブゴブリンは涙目だ。


「俺はお前が昨晩していた話を盗み聞いている。

 本当のことを言ったほうが身のためだぞ。」


「ぐぬぬぬ・・・。

 俺は親分や仲間を売らねえ。

 命かけてんだあ!!!」


ホブゴブリンは答えようとしない。


この忠誠心、男気には感服するばかりだが、この任務は王様に頼まれているんだ。


この任務が失敗したら、勇者であるユキの立場がないじゃないか。


俺がやらなきゃいけないんだ!


俺は、ホブゴブリンの人差し指も折った!


ボギッ!!!


「ぐんぎゃあああああ!!!」


ホブゴブリンは痛がるも、覚悟を決めた顔をしている。


「俺の指を何本折ろうが、結果は変わらねえ。

 さっさと殺せ!」


たしかに、拷問で白状するやつは、1本目の指ですぐに白状し、白状しないやつは何本折ろうが白状しない、と何かで聞いたことがある。


こいつもそのたぐいだろう。


参ったな・・・。


ティアノに相談してみよう。


「ティアノ、ホブゴブリンがなかなか白状しないんだ。

 ゴブリンにとって大事なモノって何かな?

 それを餌に、白状させたいんだ。」


「そうですな・・・。

 家族、食べ物、女・・・。

 くらいですかな。」


うーむ。家族ねえ。


なんだか、縛り上げているゴブリン一族の全員を人質にするのは、勇者のするべきことじゃないかな。


逆にこっちが悪者みたいでいやだ。


食べ物は昨晩いっぱい食べちゃったし・・・。


残るは女・・・。


・・・。


・・・。


そうだ!


なぜ女が好きかって言えば、性欲があるからだ。


なんで性欲があるかっていえば、ちんこがあるからだ。


つまり。


ちんこをちょん切ってしまうぞ、と脅せば、こいつは白状するのではないか?


これも勇者のするべきことではない気もするが、まあ人質をとるよかマシだろう。


ゴブリンにとって、性欲がどれほど大事なのか、見ものだな。


「なあユキ。ちょっと耳と目をふさいでいてくれ。」


かわいい俺のユキに、『ちんこ』というワードとホブゴブリンの陰部を見聞きさせたくないのは当然。


「おいホブゴブリン。

 白状しないなら、お前のちんこをちょん切る。

 ちんこが惜しくば、白状しろ。」


俺はホブゴブリンのズボンを下ろし、腕で持った包丁をホブゴブリンの陰部にあてがう。


なんてデカいんだ・・・!


すると、ホブゴブリンは戦慄の表情を浮かべた。


「ひっ、ひいいいいいいいい!!!

 わ、わかった、わかった言う!

 言うから、そこだけは切らないでえええええ!!!」


ビンゴ!!!


こいつは親分の居場所よりも性欲のほうが大事だったらしい。


「ふん、よかろう。では吐け!」


「この村を東に進むと森がある。

 その森の中心部に、ゴブリンの都市がある。最近できたんだ。

 そこの長がゴブリンキングだ!親分はそこにいる!

 言った!言ったから、早くその包丁をどけろ!」


俺はやつの陰部にあてがった包丁をどけ、ズボンをはかせなおした。


俺はユキの耳元で「もう開けていいよ」と言ってやった。


ユキははてな顔だった。


「ユキ、ゴブリンキングの居場所が分かった。」


「すごい、パンテ!

 どうやって白状させたの?」


「それは秘密だ。」


言えるわけがないだろう。


こうして、俺たちは東の森のゴブリンキングのもとへ向かうのであった。



<作者あとがき>


次回、ユキの修行!


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