7

掛布団の中で、男の手が、ウェストのくびれ部分から、上に撫でられている。


拒む事ができない理由じゃなかったのに…

そのままされるがまま…


「キスはだめなんだろ」


胸の一番高い部分に手を這わせ、壊れ物を扱う様な仕草で触れられて、恥ずかしげもなく声をもらした。


「我慢しなくて良い、乱れろよ」


一度きりの関係だと割りきってしまえば、恥ずかしいと言う気持ちもなくなって、感じるまま乱れていった。


チェックアウトの時間ギリギリで部屋をでる。


名前も知らない男と…


「君どっち?」


男は右を指し、私は左を指した。


「じゃあ!」


その場で背を向け歩き出す。


振り返っても、男は振り返る様子もない。


「ばかみたい」


帰ってゆっくり眠ろう。


名前も知らない男が振り返ったとは知らず、梢は家路へと…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る