3

「お腹空いてるだろ、今飯にしてやる」


何故この人は、見ず知らずの子にそこまでするのだろうか…


この後見返りを求められるのか…

それとも莫大な金額を請求されるのか…

それとも…


私はまだ生きている。





「うまいか?」


勢いよく食べた始めたからか、むせて水を流し込んだ。

そんな私を見ていた男は、声を出し笑っている。

この男も普通に笑うんだと知った。



夜は抱き枕の様にされて眠りに落ちた。

それ以上の事はしてこない。


男に拾われてから、数日がたち、時折やってくるあの女が、私の着替えや下着などを買ってくる。

あの女に彼女なのかと訪ねたが


「セフレよ!」


それ以上でもそれ以下でもないらしい。


「あんたは、まだここにいるき?」


聞きもしないのに、前に居たミィは、あの男を好きになって、フラれて出ていったそうだ。


そんな感情が芽生えるのか…


「あんたは、今までのミィとは少し違うわね」


何がどう違うのか、聞く気にもなれない。

今まではどうでも良い。


ただ、唯一嫌なのが、あの女の喘ぎ声が嫌だ。


あの女を抱いた日は決まって男は夜居なくなって、朝方お酒の臭いをプンプンさせて帰ってくる。


あの女は嫌いだ。

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