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立ち尽くしたままの翔は、大河が来る前には何処かへと行ってしまっていたのか、部屋に戻った要は翔の居ない事にも気付かず、ベッドへと身を投げた。


使ったことも無い気を使ったせいだろう気を張っていた体と神経が、緩んだ瞬間睡魔が襲ってきた様で…


若干15才の子には荷が重すぎたのかも知れない。




「全く…これじゃ怒れないでしょ…」


「そうですね…で、要をどうするつもりですか?あの人に直談判していた様ですけれど…」


「そうね…」


椿は、この優希の背中を嫌と言うほど見てきたつもりだが、今回ばかりは何を考えて居るのか分からない。


「このまま寝かせておきましょう…」


「ツバキちゃんはこの子に甘いのね~」


要を起こさない様に部屋をでた。

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