5話 帰還
「ねえ、村に戻ろう」
言葉に詰まった、確かにネオさんからしたら簡単には信じられない話ではある、そのために自分の目で確認するのは理にかなっているだろう、でも、、
私は、、、怖かった、、、
「その、えっと、」
「大丈夫だ、私がついている」
そういうことじゃない、そういうことじゃないんです、
私が震えていることを見たネオさんもその事を理解したらしい、すると自分の首にかけていたタオルで私の目を隠した
「…地獄を見るのは私だけでいい。」
そう言って私たちは下山を始めた、とは言っても私は抱えられてだが、
しばらくすると川の流れる音が聞こえる、この川を越えれば、すぐに村に着く
「確かこの先だよな」
私は小さく頷いた。目隠しをしてようが村が近いことを知ると身体が無意識に拒否反応を起こす、正確には震えと吐き気だ、
そんな私をお構いなしにネオさんは川を超えていった
そして、
「っく、」
ネオさんがそんな声をもらした、私も鼻にくる異臭でわかる、村に着いたのだと
「…酷い有様だ、」
そんなことを言いながらネオさんは先に行く、ネオさんも震え出していた、あの時頼りだったネオさんが何故かとても弱々しく感じた
姿を見ていないはずなのに
「…は?」
突如ネオさんが足を止めた。さらには、
「来なきゃ良かった…」
と、弱音を吐いている
私は無性に気になってしまった、その好奇心が、自分に害を成すとは知らずに
シュルッ
「!、待てっ!おまっ!」
私は目隠しを外した、そして見た、その目で見てしまった
「…え?」
「バカヤロッ!」
四肢は弾け飛び、内臓は体の中から飛び出し、至る所から血が出ていて、刃物が、10、いや20本以上刺された、原型を保っていないお母さん、だったものがあった
しかしそんなことどうでも良かった、私にとって驚愕だったのは、
飛び出た心臓は、まだ動いていた
「いきてるっ!」
「やめろ!お前!」
「いきでるっ!いぎでるんだっ!」
「もうエレンは助からない!やめろ!」
「オカアサンハ!イキテルンダ!」
私の記憶はそこで終わった
「まて!おまっ、くっそ凶暴化してやがる!」
確かにエレンの心臓は動いている、なぜかはわからない、だが、
それを見たマオのエレンを助ける気持ちが彼女自身を凶暴化させているのか!?
「くっ、魔術展開!」
ゴワッ
「《月撃》(ルナティックブースト)!」
私は彼女を止めようと戦闘に入る、だが、
「クソッ!」
だめだ!私の影の力じゃ逆に吸収して強くなるだけだ!
「ガァァァァァ!」
ボキッ
「…ヤベ」
足が折れた、身動きが取れない、そのままマオだったやつが私に拳を振るった
ゴキュぐッ
「あ、あぁ」
おおよそ人間から出てはいけない音が私の身体からなった、私はそのまま何度も殴られた、日が明けるまで、一日中、ずっと、、、
夜が明ける時には
…すでに彼女は息絶えていた
予告 第6話 決別
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