2話 破滅

『パチパチパチ…』


何かが火に燃える音で私たち二人は目が覚めた


「何事!?」


私は寝巻きのまま外に飛び出した


「侵略者です!エレンさん急いで!」

「っち、!」


私は入り口にあった自分の槍を持ち急いで戦線へ向かった



「お母さん大丈夫なの?」

「大丈夫だから、安心して待っておこう」


ノワールおじさんが私を抱きしめる、私はすぐ近くの家が燃えてるのに気づいた、しかもその家から、


「だぁぁぁずぅぅぅげぇでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


と子どもの声が聞こえた、自分より年下の甲高いこえが


「あぁ、あぁぁぁ」


私は動けなかった、ノワールおじさんの中でうずくまって震えているだけだった、


「…」

「お、おじさん?」



「っく、お前ら!持ち堪えろ!」

「すまない!いまきたぞ!」

「エレンさん!もう前線がもたないです!」

「負傷者は!?」

「30人はいます!」

「くそっ、一旦下がれ!もう一回陣形を組み直す!」

「はいっ!」


敵は十数人程度、装備がこっちが不利でも人数で囲み、押し勝てば!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


…は?今の声は、


「…マオ?」


間違いない聞き慣れたマオの声だ、、マオの、叫び声だ


「っく!」

「っな!?隊長!」

「どこ行くんですか?!t、ぐあっ」


なぜだ?マオのことはノワールに任せたはずだ、戦闘員ではなかったが、人一倍力が強いからだ、少なくとも一人二人でやられるようなやつじゃない、


「、、マオ!」


わたしは戻った、前線のことなど頭になかった


家のドアを開けると、そこには信じがたい光景が広がっていた


「お母さん、、、!」

「え、エレン、、、!違うんだ、これは、、!」


目の前には泣きそうな顔をするマオと、その、、、


「ノワール、、貴様、、、」


そのマオの服を脱がそうとしているノワールの姿があった、


「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

「待て!待つんだエr、うがっ!」

「貴様!!!!貴様ぁ!!!!!!!私の、」

「うぐっ、ごほっ、あぁぁぁ!」


「私のマオを穢そうとしたかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」



動けなかった、目の前でお母さんがノワールおじさんを槍を何度も突き刺し、おじさんの体からちが溢れ出る、

お母さんは本気でおじさんを殺そうとしてるにも関わらず、ノワールおじさんは、ノワールおじさんは、、、


私の背中の火傷を治療しようとしていただけなのに。


「はぁはぁはぁ、」

「お、おか、あ、さん」

「マオ!」


グサッ


刹那、肉が裂ける音がした、その音の出どころはわかっていた、だが頭は一瞬理解を拒んだ、拒んだはずだった


「ぐふっ」

「あ、あぁぁぁ」


理解してしまった、目の前で剣に胸を貫かれ、血を吹き出した目の前のお母さんを

頭で理解してしまった


「よしっ、これで一キルっと」


お母さんを刺した人間がそう言った、信じられなかった、こいつは人間なのかと目を疑った、その時、


「はぁぁぁぁぁ!!!!!」

「うおっ、何ィっ!」


お母さんはそいつを投げ飛ばし、外を向き槍を再び握りしめた


「逃げろマオ」

「…え?」

「逃げろって言ってんだ!!!!」


綺麗な顔の銀色の目から涙を流しながら私に叫んだ、私はすぐに立ち上がって裏口を使い森へ逃げた


お母さんの首からぶら下がる銀色のはずのおそろいのネックレスは赤く輝いていた、自分のものもそうなっていることを知らずに



予告 第3話 逃走




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る