4

教員免許を持っていながら、塾の講師として仕事をしている。


お嬢さんが初めてここへ来る事になったのは、高校生の時だ。


あの時、前頭の運転手だった俺が、運転してお嬢さんをお連れしたのが最初だった。


かれこれ6年の月日が経ってしまったんだな…


楓さんが行方をくらませてからは、はや5年…


大分朝の冷え込みもきつくなってきた。


若と祥太朗様のお姿が見えなくなり、早々屋敷の中へ向かう途中


「おはようすっ」


「また、お見送り間に合わなかったのか…」


背中を丸めながら、ちょこちょこ寄って来たのはもう一人の薫。


薫は香お嬢さんの事もう、諦めたのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る