3

「最近のあの子達は大河ちゃんからみてどんな感じ?」


いつもなら、嵐の様に去って行く優希さんなのだけれど、今日にかぎっては…


「どう?っと言われても…いつも通りじゃないですか!」


視界の先にいるのは翔と、香お嬢さんだ。


お嬢さんがここへ来る様になって、はや二年。


藤崎の屋敷からすぐ近くにマンションを借りている。


『もう、うちで、一緒に暮せばいいのに!じじぃにもう一部屋作って貰えばいいのに、もぉ!』


優希さんなら言いそうな事だ。


俺もそれには賛成だったんだけれど、わりと頑固な所もお嬢さんは持ち合わせている。


「あの子は本当に…」


優希さんの溜息と共に消えていった言葉を聞き逃しはしなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る