第96話

耳元で囁かれる甘い甘い声。



力の抜けたあたしは後ろに倒れ、八雲さんに寄りかかり睨む。




「八雲さん…のアホぅ…」


「……っっっ」




自慢じゃないけど、彼氏いない歴年齢と一緒。



初恋なんて、現在只今進行形の八雲さんだし!!



だからあたしはこんなことされて、どう対応すればいーのさっっ!?



知らず、目に涙が溜まり潤む。




「あー、もう!可愛すぎだ!!」




さっきまで妖艶に微笑んでた八雲さんが何か吠えた。



そして長い指があたしのアゴを捉える。




え?

お?

おぉお!?




ちかっっ近いですよ!?八雲さん!!

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