第77話
ふふっ。
と楽しそうに笑う花音さんを見てると、音もなく側に来た人影にビックリする。
「うぉあ!?」
「……コレ」
「ん?」
人影はゴスロリファッションの女の子だった。
相変わらずのトローンとした目があたしを見て、ソレを差し出してくる。
「……良く効く」
ソレは傷薬。
「あ…ありがとう…ございます」
我関せずじゃなかったんだ。
ちゃんと気にかけてくれてたんだ。
えへへ。
素直に好意に甘えるべく手を差し出し……。
「………」
「………」
渡してもらえない!!
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