第36話

「何やってんだ?チビネ」


「馬鹿?」



「うぬー」




キョトンとあたしを見て、ハンドルの食い込んだ背中を撫でてくれる蓮くん。



うう。蓮くん優しい…。


に比べて麻也…。



んな呆れた目で見なくても…。


泣くよ…?



それもこれも!!



ギッと桂を睨めば、既にヤツは携帯で誰かと電話してた。


名前と声音から相手は女なのがわかる。



滅べばいいのに……。



「じゃあな」



「行ってくる」



「いってらっしゃい。蓮くん。麻也。って、麻也自分のバイクは?」




今気づいたけど、麻也は蓮くんのバイクの後ろに乗ってる。



「…ガス欠」



「なるほど」




納得。

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