第67話

『ありがとうございました』




降ろせば、着ていた上着を脱ごうとするハイネ。



『いいから着てろ』



『………でも』



『いいから』



『……ハイ』




またギュッと上着を握りしめる。



可愛……ゴホン!!




「え?何故に誤魔化した?」



「バレてるのに」



「チビネ可愛いのぅ!!!!」


「ぶふっっ」




桂に麻也が呆れたように言い、蓮が悶え、吹き出す死桜。




殴る。




『ホラ寒いから、早く家に入れ』



『見送り…』



『いらん。ホレ入れ』



『……………あい』




「フハッ」




笑いだす竜ちゃん。




「竜ちゃん?」




「その頃から、返事は"あい"だったのか、チビは」


「確かに!!」



「あいあい!!とかね!!」



「猿かっつったら、殴られた…八雲に」




皆で笑う。




ん。殴ったな。


が、それは桂が悪いわ。




「で?」




死桜が続きを促す。

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