第50話
ハイネside
『ハイネ!!』
「…や…くも…さん」
ああ。
本当に泣いてる…。
泣きながら、あたしを呼んでる。
すぐにでも「大丈夫」そう言いたいのに。
意識がしっかりしたとたん、指の激痛に耐えるのに必死で。
八雲さんに呻き声を聞かせないように歯を喰いしばるので精一杯で声が出せない。
おまけに頭も重く、目が回り、喉がカラカラで。
これは…ヤバい…かな。
『ハイネ!!』
八雲さん………。
カッとあたしは目をかっ開いた。
痛がってる場合かっ!!
「…………」
「…………」
優さんと目が合う。
最初は何かに驚いたかのように、目を見開いていたけど、あたしと目が合ったとたん、いやらしく笑った。
「う"…」
吐き気まで襲ってくる。
「吐くなよ」
『ハイジ!!』
また呼ばれるも。
………誰が…ハイジだ。
脱力した。
しかし、八雲さんの側に拓実?
また珍しい組み合わせ……だけど。
なんでか、安心した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます