第49話

八雲side




『あああああ"あ"っ!!!!』




喉を潰さんばかりの絶叫が聞こえてきた。




「ハイネ!!!!」



「ハイジ!!!!」




聞き耳を立ててた"死桜"も、その絶叫に声を張り上げてハイネを呼ぶ。




くそがっっ!!




「芹原っ!!止めろっ!!ハイネに手を出すな!!んな、悲鳴を上げさせるほど、何やってやがるっ!?!?」



『何やってるだって?愉しいことに決まってんだろーが』



「…………………………………ふざけるな。喰い殺すぞ」




気が狂いそうなのに、冷静で温度のない声が出た。




小さくなっていくハイネの声。




本当は無力な自分こそ殺したい。



何が守るだっ!!



俺は一番大切な人さえ守れないっっ!!




「ハイネ!!!!!!」




お前が苦しんでるのに、呼んでやるしか出来ない!!




「ハイネ!!!!」



『………っ!?』




何度めかの呼びに高笑いを上げてた奴が、それを止め、息を飲む気配。



何が……




『……や…くも…さん』




小さな小さな声だった。


いつものハイネからは想像もつかないほど、弱々しい声だった。



空耳かと勘違いしてしまいそうなほど。




でも、俺はお前の声を聞き逃さないよ。



聞こえる。


俺を呼んでるお前の声がっっ。





「ハイネ!!!!!!」

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