第22話

『誰だ?あんた。調子いいこと言ってんじゃねぇ。消えろ』




俺らしくない?

俺の何を知ってんだ?




"血も涙もねぇ、冷血人間がっっ!!"




昔は、度々浴びせられた言葉。




そうだな。

んなのは俺が一番よく知ってるよ。



けど。

"黒豹"に入り、仲間がいる楽しさを知り。

"チビ助"が加わったことで慈しむことを覚えた。




"俺"を語っていいのは、アイツらだけだ。




冷めた目で、シャシャリ出てきた女を一瞥すれば、真っ青になって走って逃げていく。




――――――………………




来た。



目的の人物が、ようやく目の前に現れる。




壁から体を起こし、そっちに向かって歩きだせば、まだ居る女達の視線が追ってくる。




そんなんだから、ソイツがこっちに気付き、俺と目があった瞬間。




ヤバい。



とばかりに顔を背け、逃げ出そうとする。




八雲。

ビンゴみたいだぜ。




逃がすかよ。




「ちょっ!?離し………」



「芹原美優だな?話がある」

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