第14話

蓮side




「お願いします!!ほんの少しでいいんです!!桐子さんと話をさせて下さい!!」



チビネが見つからないまま、朝がきた。




空が明るくなると同時に、俺は小日向桐子の家のインターホンを押した。



「なんですか!!こんな朝早く、非常識な!!」



「失礼なことだとは重々承知してます。すみません!!少し、ほんの少しでいいんで!!"黒豹"の青木蓮と言っていただけたら…」



「警備員を呼びますよ!!あなたのような不良が桐子お嬢様に何の用があると言うの!?さっさと帰りなさい!!」




昔から、外見のせいで謂われない悪口を…陰口を言われてきた。




"目が怖い"


"目を合わせたら、何されるかわからない"


"あの目、人を殺しててもおかしくないよね"


"もうヤ🌕ザだろ"


"近寄らないで"


"怖い""怖い"




俺だって、好きでこんな顔に生まれたわけじゃねえよ。




でもチビネ、お前はいつも言ってくれるよな。




「蓮くんはカッコいいよ」


「その悪人顔、あたしは好きだよ」




って。



それに昨日、おれを太陽だと。



クリスマスプレゼントと貰った手袋を握りしめる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る