第75話

もっとわかりやすい例えだとさぁ・・・、



あ‼



子は親の背中を見て育つ みたいな‼」



さゆは自信満々に言ったけど、



ちょっと待て、



あたしは親か⁉



「さゆ、それ 例えじゃなくない?」



「あ~もう‼


そのへん ニュアンスで感じ取ってよ‼



あたしが言いたいのはぁ・・・‼」




「妹もちゃんとこいつの背中を見てたってことだろ?」




『「「⁉⁉⁉」」』




突然割って入ってきた声にびっくりして、



3人同時に固まってしまった。




『マサト⁉』




いつの間に⁉



「せっかく武田がいいこと言ってんだから、


もうちょっと汲み取れよ、タコ」



マサトはそう言いながら、あたしの頭を軽く小突いた。



「北川君、たまにはいいこと言うじゃない❗」



「俺だって気の利いたことの一つや二つ・・・・・・って、



おい⁉



たまにはって どういう意味だよ⁉」



「だって、


北川君って いつもふざけてるとこしか見たことないんだもの」



さゆは言いながら、するりとあたしの後ろへ隠れた。



「お前ら・・・💧」



悔しがりながらも さゆの言葉が的を射ているので言い返せないマサト。




「話 戻すけどよ、


結構いい話じゃね?



こいつの後ろ姿見て、妹が音楽始めたってことは、


音楽好きだって心がちゃんと伝わったってことだろ?



それって すげーじゃん。



俺だって、俺のプレイ見て バスケ始めました、みたいなこと言われたら、


すっげぇ嬉しいし」

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