第73話

思わずニヤけるあたしに 澄歌は怒ったように言った。



『別におかしくて笑ったんじゃないよ。



超嬉しいんだって‼』



あたしの顔ってシマらないから、


あらぬ誤解をされることも多いけど、


でもこれは本当。



お父さんが本気で向き合い、


お母さんもずっと趣味として親しんできた音楽。



あたしにとっても、

身体の一部のようなもの。




そんな特別な存在であるものに、


澄歌が興味を持ってくれたことが すごく嬉しい。




「それなら・・・いいけど・・・」




気恥ずかしそうにうつむく澄歌の姿がかわいかった。

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