第72話

「どっからそういう方にいっちゃうわけ⁉



ほんっっっっと、


お兄ちゃんってワケわかんない‼」



『お、落ち着いて澄歌。



あんたが隠すからだよ。



笑わないから どこ入ったか言っちゃいなって』




あたしは澄歌の方に体を向けて言った。




「・・・・・・・・・吹奏楽部・・・」



『え・・・⁉』




思わず声が出てしまった。



だって、澄歌はいつも


音楽には興味ないようなこと言ってたから。




「何だよ お前。


テニス部入るとか言ってたじゃねえか?」



お兄ちゃんも同感らしい。




「その・・・・・・。



美奏ちゃん見てたら・・・、




音楽って・・・・・・

面白いのかなって思って・・・・・・・・・」




澄歌が消え入りそうな声を出した。




ずっと、


あたしに対抗するように、


音楽をやることに抵抗していた澄歌。



その澄歌が吹奏楽部に…!



「ほら! やっぱり笑った!」

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