第71話

「ぷはー‼ 傑作‼



あいつといい、合唱部の連中といい、



おもしれーヤツばっかだな、お前の周り」



夜。



食べていたご飯を吹き出しそうな勢いでお兄ちゃんが笑い転げている。



「やっぱアレか?


いわゆるルイトモってヤツ?」



『何それ?』



「何だよ、中2にもなって ことわざも知らねぇのかよ。



類は友を呼ぶってヤツ」



お兄ちゃん・・・💧



なんてツッコミどころの多い人・・・。



・・・って、待てよ?



何気にマサトと一緒にされてる?



「響一、変な略語作んないの。



澄歌もいるんだから、バカなこと教えないでちょうだい」



お母さんが冷静に突っ込む。



『そ、それよりさ。



澄歌は部活決めたの?


仮入部、もうすぐ終わりじゃない?』



これ以上マサトの話をすると、ますますドツボにはまりそうだから、


あたしは澄歌に話題をふった。




結局、


小春に言われたことの意味はわからずじまいか・・・。




「うん。


もう正式入部の届け、出しちゃった」




やること早いなぁ。



あたしは合唱部にたどり着くまでに、


ずいぶんまわり道しちゃったよなぁ・・・。




「で、どこ入ったんだよ?」



澄歌、確かテニス部入りたいって言ってたっけ。



理由はスコートがはきたいからってとこが澄歌らしいけど。



「・・・・・・・・・笑わない・・・?」



澄歌は急に、もじもじしながら下を向いてしまった。



『別に笑わないって。



そんなふうに言うと余計に気になるじゃん』



「まさか、怪しげな同好会に引きずりこまれたのか?」



お兄ちゃんが言うと冗談に聞こえないんだけど・・・。



「怪しげな同好会?」



お父さんが想像つかないって感じで聞き返した。



「BL愛好会とか、

若宮中腐女子の会とか、



ツンデレを地で行く女子の会とか・・・」



『・・・・・・って、そんなんあるんかい⁉』




「非公式であるらしいぜ。


BL同好会」




・・・・・・・・・・・・💧



うーん。



時々 堅いんだかそうじゃないんだか


よくわかんなくなるわ、この学校・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る