第53話

あたしはトロいから、人のウワサとか情報とかって 基本的に最後に受け取る方。



だから、マサトが結構モテることも そんなことが何度かあってから初めて知った。




マサトのことを好きな人の中には、

美人だったりスタイル抜群だったり モテる人もいるかもしれない。




そんな人達を差し置いて あたしみたいなのがマサトの隣にいる。




その人達にしてみれば、

「なんで⁉」

って感じだよね、

きっと。




そういう視線がこわくて あまり自分からベタベタしないようにしてたけど、



それじゃ ダメなのかな・・・。




「よし❗ 決めた❗



美奏っち、行くよ‼」



『え? 行くって、


どこへ・・・?』



「体育館に決まってんでしょーが‼



美奏っちはツメが甘いのよ、ツメが‼



いい⁉


相手がそう言ってきたからには、こっちもそれなりの対処をしなきゃ‼



あたし、その転校生のことはよく知らないけど、


それだけ積極的なら なおさらこっちもどんどん出てかなきゃダメ‼



さ、行くよ‼」



『な、直ちゃん、


ちょっと待っ・・・❗』



抵抗するヒマもなく、


あたしの体は直ちゃんの手によって、強引に引きずられていった。

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