第15話
『なぁに?』
「なんかさ、
今度の新しい校長先生、ちょっと感じよさ気じゃない?」
新しい校長先生?
『弥生、知ってるの?』
「そういうわけじゃないけどさ、
ハゲじゃないし🎵」
弥生…💧
「あ、ほら 出て来た」
壇上に現れたグレーの人影。
確かに、話し方だけを聞いていると、
穏やかで優しそうな 癒し系の雰囲気。
「…というわけで、
皆さんの学校生活が、より良いものになるように、
できる限りの努力をしたいと思っています。
そして…」
校長先生は、ひと呼吸おいて 再び言葉を続けた。
「私は、この学校が皆さんにとって勉強の場であると同時に、
他人のことを思いやる心や
お互いが歩み寄ったり、個性を認め合うことを学ぶ場であってほしいと思っています。
そのためのひとつの試みとして…」
何…?
「正課のクラブ活動の一つとして、
ボランティア活動を取り入れることを考えています」
あちこちから小さなざわめきが起こった。
「世の中にはいろいろな人がいます。
同時に、いろいろな問題もあります。
周りのことに関心を持ち、
いろいろなことに気付き、考え、行動できる人になってほしいと願っています」
穏やかな中にも、信念のこもった言葉。
あたしは その一言一言を頭の中でかみしめながら、
あたしを取り巻いている何かが
大きく変わろうとしていることを感じていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます