第15話

『なぁに?』



「なんかさ、


今度の新しい校長先生、ちょっと感じよさ気じゃない?」




新しい校長先生?



『弥生、知ってるの?』



「そういうわけじゃないけどさ、


ハゲじゃないし🎵」




弥生…💧




「あ、ほら 出て来た」




壇上に現れたグレーの人影。



確かに、話し方だけを聞いていると、


穏やかで優しそうな 癒し系の雰囲気。




「…というわけで、



皆さんの学校生活が、より良いものになるように、


できる限りの努力をしたいと思っています。




そして…」




校長先生は、ひと呼吸おいて 再び言葉を続けた。



「私は、この学校が皆さんにとって勉強の場であると同時に、


他人のことを思いやる心や


お互いが歩み寄ったり、個性を認め合うことを学ぶ場であってほしいと思っています。



そのためのひとつの試みとして…」




何…?




「正課のクラブ活動の一つとして、

ボランティア活動を取り入れることを考えています」



あちこちから小さなざわめきが起こった。




「世の中にはいろいろな人がいます。



同時に、いろいろな問題もあります。



周りのことに関心を持ち、


いろいろなことに気付き、考え、行動できる人になってほしいと願っています」




穏やかな中にも、信念のこもった言葉。




あたしは その一言一言を頭の中でかみしめながら、



あたしを取り巻いている何かが


大きく変わろうとしていることを感じていた。

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