第13話

「っ痛ぁ~。


美奏の平手、結構痛いし~」



思わず絵里の背中に振り下ろした手は、予想以上の破壊力だったみたい。




「てゆうか、


美奏っち、すっかりキャラ変わったよね」



「確かに。



あたし、もっと線の細いコだと思ってた」



直ちゃんといっちゃんが勝手に盛り上がる。



『えー⁉


線が細くてひかえめでおとなしいじゃん』




「どこが⁉⁉⁉」



マサトと直ちゃんといっちゃんが同時に叫んだ。



おいおい…。



別にあたしだって、本気でそんなこと思ってないけど、



そこまで勢いよく否定しなくても…💧



「なんかさ、すごい明るくなったよね、美奏ちゃん」



『さゆぅ…』



あわててフォローしてくれたさゆに泣きつくあたし。



でも、いじめを乗り越えて


いろんなことがふっ切れて、


部活にも入って、


いろんなことが変わったことは確か。




体力もついたし。



「元気なのが一番だよね」



絵里が明るく話をまとめる。




「おい、あんまりたくましくなられても困るぞ。



一番被害に遭うの、オレだぜ。


マジ勘弁」



『マサト、もう一回叩かれたい?』



「させるか‼」



マサトは素早くあたしの手をかわし、直ちゃんの後ろに隠れた。




「はいはい、ごちそうさま」



のぞみの呆れたような一言に、みんなが笑った。






「そういやお前ら、何組?」



マサトが思い出したように言った。



『あたし3組』


「オレ2組」



やっぱりクラス、別れちゃったね。



あんまり期待してなかったけど、やっぱりガッカリ。



あれ?



でも、ガッカリするってことは、


やっぱり期待してたってことになるのかな。




「じゃあ、あたしと一緒だ」



「そっか、よろしくな 田口」



直ちゃんとマサトが一緒か…。



「美奏っち、北川が浮気しないように、


しっかり見張っててあげるからね」



直ちゃんがあたしの肩をポンと叩いた。




「あ、川島」



『え?』




みんなの前で名指しで呼ばれると、何だかすごく照れる。




「教科書忘れたらよろしく🎵」




……………。




それだけ……?



『何それ⁉


今までと一緒じゃん‼』



最近じゃ調子に乗って、


教科書だけじゃなく 宿題までちゃっかり持ってっちゃうんだから。

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