第8話

「混んでる~💦



っつーか、あの男子の頭ジャマ‼」




直ちゃんが背伸びをしながらわめく。




このままじゃ、チビのあたしにはラチがあかない。




『ちょっと入れてくださ~い』




少しかがんで、みんなの間をすり抜けて前に行く。




「うふふっ、便乗🎵」



チビ仲間のさゆが、ちゃっかり後ろをついて来てた。





かがんだままなら、


何とか視界だけは確保できる位置まで来れた。




目をこらして自分の名前を探す。





とは言っても、


あたしは裸眼で探すことはできないから、


補装具の力を借りてるけどね。





うぅ。



さゆが あたしの肩を支えに身を乗り出すから


体が重い。





「美奏っち、頭いい❗



そっか、そうやって見る手があったかぁ❗」




ぐぇっ。



体の重みが増す。



振り向くと、


直ちゃんもさゆの上から身を乗り出していた。




「あ~‼



あたしあった‼ 2組‼」





直ちゃんが叫ぶ。




っつーか、重いから早くどいてぇ💦




重みに耐えながら、見えやすい場所から見ていく。





『あ…』





目に飛び込んできた 川島美奏 の文字。





『…3組だ』





直ちゃんと別れちゃった。





クラスメイトは誰…?

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