第6話

「美奏っち~❗



おはよ~‼」






あたしが桜の下でしばし物思いにふけっていると、




それを打ち破るかのように、



ぶんぶん手を振りながらかけてくる人があった。






『直ちゃん❗』




ムード台無しだけど、



でも、そうやって声をかけてくれることがうれしい。




『おはよう❗』




彼女は田口直美(たぐち なおみ)。


通称、直(なお)ちゃん。





小学校の頃からの仲良し。





「久しぶりだね」



『久しぶり…って、



先週遊んだばっかりじゃん?』




「あ~~‼



美奏っち 超冷たい‼



せっかく人が再会を喜んでんのに‼」




ぱこっ




直ちゃんは平手であたしの背中を叩いた。




『っ痛~い‼



これ以上背が縮んだらどうすんのよっ‼』



「大丈夫だって。



それ以上縮みようがないから」




『ひっど~い‼』




大騒ぎしながら校門をくぐる。







「美奏ちゃ~ん❗


直ちゃ~ん❗」





校舎の方から響くほんわかした声。




『あ、さゆ⁉



おっはよ~‼』




直ちゃんと一緒に、声のする方に走った。






「おはよう、さゆみん。



クラス分け、もう見た?」

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