第4話

リボンを外し、


モスグリーンのに付け替える。





赤は1年生の色。





新学期初日から



おバカモード全開だよ




トホホ。













さて、と。



今のうちに、自己紹介しちゃいます。




あたしは 川島美奏。




美しく奏でるって書いて、無理やり~みな~って読ませる。





今日から中学2年生。




楽器メーカーに勤めるお父さんと、



専業主婦のお母さん、




お兄ちゃんと妹の5人暮らし。





かわいくもないし、チビだし、


成績だって 澄歌にかなわない。



おまけに運動オンチ。




負けん気が強くて、


モテるような性格にも程遠い。





そんなどこにでもいるような中学生のあたしが





周りの人と ひとつだけ違うこと。







それは









生れつきの視覚障がい者だってこと ───。












「美奏~❗



早くしないと遅刻するよ❗」





お母さんが下から叫ぶ。




『は~い❗



今 降りる❗』




鏡でもう一度、自分の姿をチェックして



勢いよく階段を下りた。

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