第3話

「ひっど~い‼



お兄ちゃんがケンカ売ってくるのが悪いんじゃない‼」





お兄ちゃんは今日から高校生。




紺のブレザーに グレーのズボン。




胸元には ブレザーと同じ紺のネクタイ。





スポーツが強いことで有名な 県立高校の制服だ。





でも、



個人的には、


中学の時の学ラン姿の方が


お兄ちゃんぽくて好きかな。





「澄歌も明日から新学期なんだから、



少し早起きするくらいでちょうどいいよ。




中学生になったら もうちょっとマシに起きてちょうだい」





お母さんの言葉に、


澄歌は肩をすくめる。





「ん?



おい 美奏、制服」




お兄ちゃんが 怪訝そうにあたしを見た。




「あ…



美奏ちゃん、リボン…」




『え⁉


どっかおかしい⁉』




あたしはあわてて胸元のリボンを確かめる。




でも、まっすぐちゃんと結べている


…と思う。





「どこまでマヌケなんだよ、お前は‼



も1回 1年やる気か⁉」





……………







結んだリボンの色は、鮮やかな赤。




『あ~~~~~‼』





あわてて部屋へ引き返すあたし。

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