op.1 始

予感

第2話

ジリリリリリ




けたたましい目覚ましの音に、



あたしは半分寝ぼけたまま 枕元に手を伸ばした。




窓からは、


クリーム色のカーテンを通して、


朝の光が差し込んでいる。




『ああ…、



起きなきゃ…』




あたしはゆっくりと起き上がり、軽くベッドを整えた。




制服に着替える。




白いブラウスに黒のスカート。




胸元に…





「美奏~❗



早く起きなよ~❗






『は~い』





お母さんの声に、


あたしはバッグと黒のブレザーをつかむと、



小走りにダイニングへ向かった。











『おはよう、お母さん』




「おはよう、美奏」




「おはよう、美奏ちゃん」




『あれ?


早いね、澄歌。



おはよう』




めずらしく 妹の澄歌(すみか)が、


あたしよりも早く起きて ダイニングの自分の席についていた。




「お兄ちゃんの高校初制服、


見ようと思って」




「別に これから毎日見られるだろ?



お前、起きてっとうるせ~から まだ寝てろよ」




いつの間にか降りてきていたお兄ちゃんが



いつもの調子で言った。

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