第27話

みんなと一緒にドキドキしたり、


違う場所から教室をながめてみたい。




それに、それにね。



ずっと先生の目の前って、気が抜けなくて超疲れるんだよぉぉ‼




だいいち、あたしの読み書きのベストポジションは、この席じゃない。



ベストなのは、一番窓際か、その隣の列の一番前。





あたしの目は、暗いことに極端に弱い。



正直、 天井の蛍光灯だけでは役不足だ。



手元を照らすライトなんて学校には置けないから、


太陽の光はまさに恵みの光だ。




黒板や掲示物を読むには、


単眼鏡という小型の望遠鏡のような補装具を使うんだけど、


真ん中や廊下側の席からだと、


窓よりのスペースに書かれた文字は 反射で全く見えなくなってしまう。



あたし自身も このことに気づいたのは6年生に上がってからだったんだけどね。



それまでは、大人が口を揃えて言うんだから、


ここがベストなんだって信じて疑わなかった。




でも、6年生に上がってすぐの席替えの時、


先生はあたしにもくじを引かせてくれた。




一番前の席の番号だけが入った箱をあたしに一番に引かせ、


残りを他とシャッフルさせてみんなで引く。

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