第19話
あたしも嬉しくなって、彼女の手を握った。
直ちゃん ──
小学校からの、 数少ない仲良しだ。
一緒のクラスだったのは、 最後の2年間だけだったけど、
もっと、ずっと前から一緒にいるような気がする。
「美奏ちゃん、 代わるわよ」
『じゃ、おばさん、お願いします』
直ちゃんのお母さんがあたしのお母さんに腕を差し出し、
保護者入口の方に向かうのを見送ると、
あたしたちはクラス分けを見に行くことにした。
クラス分けは、校舎の壁に貼り出されているらしく、
人だかりができている一角をすぐに見つけることができた。
「美奏っち、 ここで待ってて。
あたし、 見てきてあげる」
あたしは、直ちゃんの言葉に甘えて、そばの植え込みのところで待つことにした。
本当は黒板を見る要領でやれば 自分でも探すことはできるし、一緒に見たかった。
でも、混んでるから 足手まといになっちゃうしね…。
「川島さん❗ 川島さんだよね⁉」
突然名前を呼ばれて、ビクッとする。
近づいてきたのは、ショートカットで すらりとした長身の女の子。
胸元のリボンが赤ってことは、彼女も一年生か。
でもその外見も、
ミスマッチな高めの声も
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます