第13話

朝から頭痛くなってきた。




今あまりつっこまれたくなかったな。




別に男の子ウケなんか狙ってないし、


好きでそうしているわけでもないんだけど。




「障害者はね、


多かれ少なかれ、いろんな人の手を借りて生きていかなきゃいけないの。



そういう存在の人が、 うるさくて目立つ存在だったら


それだけで、いじめややっかみの対象になってしまうのよ」



お母さんが諭すように言った。



澄歌がすかさず反論する。



「でも、おとなしくしてたって、美奏ちゃん いじめられっ子じゃん。



ま、 あたしじゃないから別にいいけど」



澄歌は一気に言うと、


ランドセルを持って、ダイニングを出て行った。













地味に、静かに、目立たぬように、


でも人並みに。





これはずっと、あたしの学校生活のテーマだった。




学年で一番チビで、運動音痴な視覚障害者。



これだけでも あたしは充分目立っていた。



悪い意味で、先生の目にとまるのだ。



人間は、何かが人より飛び抜けている人に対して、


その人をつぶしにかかろうとする習性がある。



出る杭は打たれるってヤツだ。



飛び抜けているものが、良いことでも、悪いことでもね…。

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